ロッカールーム



「んッ…………!!」 峨王君の性急なキスに、僕は思わず声を漏らした。 だってここはロッカールーム。部活はとっくに終わっているけど、 鍵はかけてないし、忘れ物をした誰かが戻ってくるとも限らない。 だけど僕は、峨王君を突き放すような真似は出来なかった。 それは体格差とか力の差とかじゃなくて、峨王君に求められるのは嬉しいし、 こういう時の峨王君には何を言っても無駄なのは分かっている。 ―――特に、泥門デビルバッツ戦を明後日に控えたような日には。 峨王君が自分から求める時は、僕が受け入れる側になる。 それは二人だけの決め事で、そして峨王君は試合が近づくと 必ずと言っていいほど興奮状態を鎮めるように僕を抱いた。 「…………っん、んん………」 峨王君の舌が獲物に喰らいつくかのように、僕の舌を蹂躙する。 技巧とかそういうものには無縁だけど、それは酷く野性的で、 このまま舌を噛み千切られて喰べられてしまいたいと思う。 そして僕は峨王君に頸動脈に噛み付かれ、内臓を喰らわれ、 その絶対的な力の前に平伏し、生きながら喰われて絶命するのだ―― 嗚呼、何て甘美な妄想だろうか。峨王君に骨までしゃぶり尽くされ、 文字通り彼の血肉となって彼に力を与える事が出来るのだ。 こんな事を考える僕は危ないのかも知れない。でも僕は、峨王君に なら殺されてもいいと本気で思っている。否、むしろそれなら本望だ。 その証拠に、僕の股間は触れられてもいないのに固く屹立している。 こんなのは異常だ――――分かってる、だけど止まらない、僕の妄想。 峨王君が、軽く肩に歯を立てる。 「あぁ………」 僕はその感触に、思わず声を上げていた。そのまま思いっきり噛んで、 肉を引き千切って―――言葉に出来ない僕の心の叫び。 不意に、峨王君の足が僕の張り詰めた下半身に当たる。 「如月、お前、もうこんなにしてるのか」 「ダメなんだ………僕。峨王君にそうされると、すごくすごく  気持ちが良くて―――」 「じゃあ、間怠っこしい事はやめだ。俺も腹が減った。  ――お前を、喰いたい」 そう言うと峨王君は僕のズボンと下着を一緒に引きずり落とし、 僕の身体をロッカーに押し付け、何の躊躇いもなく僕が唯一 峨王君を受け入れることが出来る其処に、熱い先端を押し付けた。 思いも寄らなかった峨王君の性急な行為に、僕は狼狽えた。 「そん……なっ、い、いきなりは、無理だよ……ッ!!」 「大丈夫だ。少しずつ入れる。身体から力を抜いて、大人しくしていろ」 峨王君の熱い昂ぶりを感じ、僕はわなないた。押し付けられた先端が、 敏感な部位に当たり、ひくひくと蠕動しているのが分かる。峨王君が 僕を欲しいように、僕も峨王君が欲しくて、まるで誘っているかの ように下の口が蠢いているのが峨王君に伝わり、僕は自分の浅ましい 欲望を見抜かれたようで恥ずかしかった。 しばらくそうしていると、先走りの蜜が潤滑油代わりになり、 ぬるり、と亀頭の先が入ったのが分かった。だけど峨王君は それ以上先へは進めずに、ごくごく浅いところで抜き差しを始めた。 「ひっ………は、あ、あぁっ……!」 たったそれだけの動作で、全身が一気に切なくなった。 本当に浅い場所を、クチュクチュと捏ねるように腰を回す。 本格的な挿入じゃないのに、僕の身体は狂おしいほど感じていた。 「あ……ふっ!んっ、んん………っ!!」 ぐちゅぐちゅ……先走りの蜜でドロドロに溶けた其処から、 卑猥な水音が上がる。それすらも僕の劣情を掻き立て、 まだ入れられる前に、僕は気を遣ってしまいそうだった。 「……峨王っ、くん、気持ち、いいよぉ……っ!!  責められてるの、入口だけなのに、すごくいいよぉ……  僕、もう、我慢できない……峨王君が出す前に、達っちゃう……  あ、もう、駄目ぇっ……!!!」 堪えきれず、僕は精を放った。びゅく、びゅくと白い液体が誰かの ロッカーを濡らす。だけどそんな事には構っていられなかった。 「はぁ、はぁ、はぁぁ…………っっ」 「大丈夫か?」 荒い息を繰り返す僕に、峨王君が気遣わしげに尋ねる。 「うん、大丈夫……。それより、御免ね。  まだ、峨王君が達ってなかったのに……」 「気にするな」 峨王君はそう言うと、ぽんぽんと子供を慰めるみたいに頭を叩いた。 「お前が気持ち良かったなら、それでいい」 ――――嗚呼、峨王君………。 君は何処まで、僕を君に夢中にさせてくれるつもりなんだい? 僕は嬉しくて思わず峨王君の背中に飛びつくと、彼の頬が少し赤くなっていた。 「ね……峨王君、続き、しない?」 僕がそう言うと、峨王君の頬が、ますます赤くなった。 「っひ、ひぃ…………あっ、ああああああ!!」 僕は峨王君の肩に手を、腰に足を巻き付けながら、ロッカーに背中を 預け、限界まで峨王君のものを受け入れて啼いていた。 揺さぶられ、突き上げられ、僕はあられもない喘ぎ声を上げた。 もう僕の頭の中――そして身体の中は、峨王君で一杯だった。 駄目だ。快楽が強すぎる。早く、早くここから降ろして……! 「峨王君っ、駄目! 僕、もう駄目だから―――!!!」 「駄目だ。まだ達かせない」 そう言うと、峨王君は達しそうになっている僕のものを、痛いほど握りしめた。 「うくッ!!」 その鈍痛に、思わず声が漏れる。 峨王君が息を乱しながら、さらに烈しく、僕の中を掻き乱す。 熱い。全身熱くてたまらない。達きたくても達けない熱が、 僕の身体の中でのたうち回っているようだ。 駄目だ、もう何にも考えられない。早く解放して―――!!!! 僕が我慢の限界を越えた瞬間、峨王君が僕のものから掌を離した。 「あ――――――――――――っ!!!!」 甲高い悲鳴とともに精液を放つ。それと同時に、僕の中で 峨王君がたっぷりと熱いものを迸らせた。 ―――峨王君、僕、今なら、死んでもいいよ……。 心の底からそう思いながら、僕はゆっくりと、意識を手放していった。 <END> (update:20071101)


峨王受けも好きなんですが、負けず劣らず如月受けも好きなんです…!! そんな愛情の一切合切を込めた話でしたが、如ガオ派の方が一名でも ガオ如の良さに目覚めてくれるといいな……!!(キラキラ) 255th downの彼が凄すぎて惚れまくりです。如月君、君も美しい…! すっかり脳内如ガオ如大フィーバーです。確変起こしまくりです。 ドル箱10箱ぐらいいきそうなほど妄想が炸裂して大変です! 次の週の如月も待ち遠しい……!!!!(そわそわ)

ブラウザバックでお戻り下さい